参考書レビュー
2024年12月25日

医学部専門予備校プラタナスです。プラタナスでは生物選択者の私立医学部進学に特化した参考書レビューを行なっていきます。今回取り上げる参考書は「START DASH!!数学(河合塾シリーズ)」です!特に浪人生に向けた使い方などを提案しますので、ぜひ参考にしてください。
医学部受験は、他の学部と比較しても圧倒的に高い学力水準と強靭な精神力を要求するハイレベルな戦いです。現役合格が難しいため、浪人生活を余儀なくされる受験生も決して少なくありません。特に、浪人生が合格を掴むためには、数学をはじめとする主要科目において、より盤石な基礎固めと確実な応用力の養成が欠かせません。しかし、闇雲に参考書を手に取るだけでは、効果的な学習が難しくなってしまいます。
本記事では、河合塾出版の「START DASH!!数学(河合塾シリーズ)」という一冊を、医学部受験を目指す浪人生向けに徹底レビューします。単なる難関大対策ではなく、医学部特化の参考書選びが求められる中、基礎を疎かにせず、発展へとスムーズに繋げる足場を作る上で、本書は非常に有用な選択肢となりえます。
本記事では、参考書の基本情報からレベル、使い方、学習スケジュール、さらにはつまずいた時のリカバリー用参考書や次へのステップアップ参考書まで、包括的に紹介します。ぜひ、浪人中の貴重な時間を有効活用し、最短ルートで合格可能な学力を築き上げるための参考にしてみてください。
参考書の基本情報と本書の特長
基本情報
- 書名:START DASH!!数学(河合塾シリーズ)
- 著者:河合塾数学科
- 出版社:河合出版
- 定価:1,012円(税込)
- 参考URL: START DASH!!数学(河合塾シリーズ)
レベルとターゲット
本書は、いわゆる「基礎から標準レベル」への橋渡しを意図した構成になっています。難関大対策用のハイレベル問題集よりは抑えめですが、単なる基礎練習帳よりも一歩踏み込んだ内容です。
- レベル感:基礎~標準レベル
- 対象:医学部受験を目指す浪人生で、基礎を一度固め直しつつ、標準レベルの問題を着実に解けるようにしたい人
特に、現役時代に数学で苦杯をなめ、浪人の1年で数学力を再構築したい受験生に向いています。前年度の知識が曖昧な状態で、いきなり難問集に手を出すのは非効率です。まずは本書で抜け漏れなく基礎・標準レベルをトレーニングすることで、その後の難関問題集へ円滑に移行できる体制を整えましょう。
本書の特長
- 体系的な構成:数学I・II・IIIを系統立てて扱い、医学部入試に必須の分野を偏りなく網羅。
- 分かりやすい解説:河合塾講師陣が手掛けるため、初学者がつまずくポイントや受験生が誤解しやすい箇所を丁寧にフォロー。
- 習熟度アップを狙った問題構成:単なる基本問題の羅列ではなく、段階的にレベルアップする問題設定が特徴。
- 医学部への基盤作り:医学部入試で必要な思考プロセス(論理的展開、初見問題への対応力)への足がかりとなる。
メリット・デメリット
メリット
- 基礎定着から標準問題克服まで、一冊で完結しやすい:基礎固め用参考書と標準問題集を別々に用意する必要が減り、学習計画が立てやすい。
- 解説が丁寧で独学しやすい:浪人生は予備校や塾を活用するケースも多いが、自習中心の生活になりやすい。その点、本書は独習者でも理解可能な詳しい解説がありがたい。
- 段階的なレベルアップでモチベーション維持:難しすぎず易しすぎないラインナップで、徐々に学力の底上げが期待できる。
デメリット
- 難関医大合格レベルには物足りない可能性:あくまで基礎~標準レベルが中心で、医学部特有のハイレベル問題を本書だけで網羅するのは不可能。その後に難問集や過去問研究が必須。
- 演習量としては十分だが時間がかかる場合も:基礎固めには適しているが、既にある程度の基礎力がある人には、やや冗長に感じる箇所がある可能性がある。
以上を踏まえ、本書はあくまで「スタートダッシュ」を決めるための一冊であり、それ自体で医学部合格レベルまで到達するわけではありません。ここから先の参考書・問題集へ繋ぐための「踏み台」と位置付けてください。
内容構成と特徴的なポイント
本書は、数学I・II・IIIの基本的事項から標準レベルの問題までを幅広くカバーしています。セクションごとに重要公式、概念、典型問題が整理され、それぞれの章の終わりに確認問題や練習問題が配置されています。
- 内容配分:
- 数学I:数と式、二次関数、図形と計量、集合と論理など
- 数学II:図形と方程式、微分積分の基礎、三角関数、指数・対数関数、複素数平面
- 数学III:微分積分の発展、極限、曲線の性質、複数関数への応用
- 特徴的なポイント:
- 各単元で「確認→理解→標準問題挑戦」の3ステップが踏める
- 重要公式や解法パターンが明確化されており、復習が容易
- 問題の解答・解説には別解や補足説明が充実し、理解を深めやすい
このような構成により、基礎知識が曖昧な浪人生でも、着実に理解を積み重ねていくことができます。
具体的な使い方と学習スケジュール例
使用時期と学習ペース
浪人生活は、現役時代よりも計画的な学習が求められます。1年間を大まかに以下のような区分で考えてみましょう。
- 4~5月(基礎固め期):現役時代に抜けていた基礎事項を丁寧に補完。この時期に本書を最初から読み進め、1日あたり1~2セクション程度を目安に学習します。
- 6~7月(理解定着期):一通り学習を終えたら、苦手分野や理解が甘い箇所を重点的に再演習。この時期は本書の解き直し+別途基本~標準レベル問題集の併用も検討。
- 8~9月(発展強化期):夏休みには本書をほぼ仕上げ、標準問題を8割方正解できる状態を目指します。疑問点は都度洗い出し、解説を読み返すことで完璧に近づける。
- 10月以降(実戦期):本書で培った基礎~標準レベルの解法力を前提に、過去問演習や難易度の高い問題集へ進む。
1日の学習例
- 朝:前日学習した範囲の確認、問題の再チェック(30分)
- 午前~昼:新規範囲1~2セクション分を解説読み込み+例題演習(90~120分)
- 午後:標準問題を解いて理解度確認(60~90分)
- 夜:軽い復習と気になる問題の再読(30分程度)
このペースを守れば、数ヶ月で本書は一周可能です。苦手単元は必ず印を付け、2周目や後半期に重点的に再演習しましょう。
分量・習得時間
本書は各単元がコンパクトにまとまっていますが、全範囲をカバーするため、1~2周を丁寧に行うには数ヶ月単位の時間が必要です。特に浪人生は時間に余裕がある一方、他教科の学習も並行しますので、1周目は約2~3ヶ月を目安として着実に進めましょう。
つまずいたら戻ると良い参考書
本書のレベルは基礎~標準ですが、どうしても理解が追いつかない場合や、公式の意味が腹落ちしない場合は、より基礎的な参考書に一時的に戻ることをおすすめします。
- 戻るべき参考書例:
- 「基礎問題精講(数学I・A・II・B)」(旺文社)
- 「チャート式 基礎からの数学」(数研出版)
使い方としては、例えば「START DASH!!数学」で微分積分の計算で手が止まるなら、「チャート式」や「基礎問題精講」の該当分野に戻り、基本公式の再確認・基本問題の反復練習を行います。1週間程度の「後戻り期間」を設け、理解定着後に再び本書に戻れば、スムーズに先へ進めるはずです。
クリアしたら進むと良い参考書
本書で標準レベルまで習得できたら、次は医学部特有の難問・複雑な応用問題にも対応できる力を養う段階です。ここでおすすめなのが、より難度の高い問題集や、医学部特化の問題演習シリーズです。
- 進むべき参考書例:
- 「1対1対応の演習」シリーズ(東京出版):より本質的な数学的思考を鍛える
- 「医学部受験 数学の過去問集」:実際の出題傾向を把握し、入試本番レベルの問題に慣れる
使い方としては、本書で身につけた基礎~標準レベル解法を武器に、「1対1対応の演習」で思考プロセスを深め、過去問で実戦的なフィーリングを養う流れです。特に医学部は計算力や問題処理速度、複合的思考が求められるため、少なくとも秋以降は過去問演習とハイレベル問題集への移行が必須となります。
まとめ
本記事では、**「START DASH!!数学(河合塾シリーズ)」**を医学部合格を目指す浪人生向けに、基礎から標準までの総合的な参考書として紹介しました。
- 本書の位置付け:基礎と標準問題を一冊でカバーする「橋渡し」的存在
- 対象者:基礎が甘く、もう一度しっかり固め直したい浪人生
- メリット:解説が丁寧、段階的なレベルアップが可能、独学しやすい
- デメリット:本書のみで医大合格レベルの難問対策は不十分
- 学習戦略:4~5月で基礎固め、6~7月で苦手補強、8~9月で標準問題仕上げ、秋以降難問・過去問へ移行
- つまずいたら:より基礎的な参考書(基礎問題精講、チャート式)へ一時的に戻る
- クリア後は:「1対1対応の演習」や医学部過去問集で難易度アップに備える
浪人生活は、限られた時間をいかに効果的に使うかが勝負です。本書は、まず安定した数学力の土台を作る絶好のテキストとなりえます。学習の道筋を明確にし、基礎から標準への確実なブリッジを架けることができれば、秋から冬にかけての実戦的な演習で大きな伸びを期待できるでしょう。ぜひ、本書を有効活用し、合格への道を切り開いてください。
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参考書名:START DASH!!数学(河合塾シリーズ)
参考URL: START DASH!!数学(河合塾シリーズ)

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