解答速報/入試分析
2025年1月23日
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私立医学部専門予備校のプラタナスです。
本日は,帝京大学(1日目)と杏林大学の試験でした。
皆さん,お疲れ様でした!杏林大学の解答速報はまた別に出すのでお待ちください。
やはり,帝京大学は「体内環境」の出題率が高かったですね。
明日の予想は一番最後に書いたのでご覧ください。
出題内容
1:体内環境(ホルモン)
→リンパ液,ホルモンの定義(記述),ホルモンの特徴,受容体(ステロイド系とペプチド系),体温を上げるホルモン,
2:代謝(呼吸)・植物ホルモン
→電子伝達系,H+の移動(記述),ATPの構造,ATPの合成数(計算問題)
→植物ホルモン,種子の発芽,肥大(エチレン)
3:体内環境(免疫)
→リゾチームの働き(記述),花粉症,マスト細胞,アナフィラキシー,サイトカイン,抗原決定基の考察問題
■解糖系
反応場所は細胞質基質でグルコース1分子あたり差し引き2ATPを産生している。
(2ATP消費し,4ATP産生)
10種類の酵素の働きにより進行し,脱水素酵素などにより1分子のグルコースから2分子のピルビン酸ができる。
C6H12O6+2NAD+→2C3H4O3+2(NADH+H+)+2ATP
■クエン酸回路
反応場所はミトコンドリアのマトリックスで行われ,グルコース1分子あたり2ATPを産生する。解糖系で生じたピルビン酸が,脱炭酸反応と脱水素酵素により完全に分解される。
2C3H4O3+6H2O+8NAD++2FAD→6CO2+8(NADH+H+)+2FADH2+2ATP
物質は変化していき,
ピルビン酸→アセチルCoA(+オキサロ酢酸)→クエン酸→αケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸
覚え方は「クエンさん(クエン酸),急いで蹴とばし(αケトグルタル酸)怖くなり(コハク酸),踏まれた(フマル酸)リンゴ(リンゴ酸)を置き去りに(オキサロ酢酸)」
■電子伝達系
ミトコンドリアの内膜で行われNADHやFADH2から放出された電子が電子伝達系を通る。
これに伴って,H+がマトリックス側から膜間腔に輸送される。
電子は最終的にH+やO2とともに水が生成される。
膜間腔からマトリックスへATP合成酵素を通る時に多くのATPが生成される。
■植物ホルモン
【植物の生い立ち】 | 植物ホルモン | 光受容体 |
---|---|---|
①種子の発芽 | ジベレリン(促進:休眠打破) アブシシン酸(抑制:休眠維持) | フィトクロム |
②成長 (伸長成長) | ジベレリン,ブラシノステロイド,オーキシン (縦に伸長) | フィトクロム クリプトクロム |
③成長 (肥大成長) | エチレン,オーキシン (横に肥大) | |
④成長 (屈性) | オーキシン | フォトトロピン |
⑤成長 (頂芽優勢) | オーキシン(側芽の成長抑制) サイトカイニン(側芽の成長促進) | |
⑥花芽形成 | フロリゲン ジベレリン(低温処理はジベレリン処理に代替が可能) | フィトクロム クリプトクロム |
⑦果実の形成 (結実) | ジベレリン(種なしブドウの作成) オーキシン | |
⑧果実の成熟 | エチレン | |
⑨葉の老化 | アブシシン酸,エチレン,ジャスモン酸(促進) サイトカイニン(抑制) | |
⑩落葉・落果 | エチレン(促進) オーキシン,ブラシノステロイド(抑制) | |
⑪蒸散 (気孔の開閉) | アブシシン酸(閉) | フォトトロピン(開) |
⑫ストレス応答 | アブシシン酸,エチレン ジャスモン酸 |
【光受容体】 | 吸収光 | はたらき |
---|---|---|
フィトクロム | 赤色光 遠赤色光 | ①光発芽種子の発芽 ②花芽形成 |
クリプトクロム | 青色光 | ①花芽形成 ②胚軸伸長の抑制 |
フォトトロピン | 青色光 | ①光屈性 ②気孔の開口 ③葉緑体の定位運動 |
■免疫と病気
・アレルギー
特定の食物や花粉などの抗原に対する免疫反応が過剰となり,生体に不利益をもたらすこと。アレルギーの原因物質はアレルゲンといい,そば,卵,花粉,ネコの毛などがある。
その結果,じんましん,ぜんそく,かゆみ,くしゃみなどの症状が生じる
・アナフィラキシーショック
アレルゲンが体内に2回目に入ったとき,特に激しい症状が現れること。
血圧低下や意識低下などの急性の強い炎症作用を起こす。ハチ毒などがある。
・花粉症
花粉が抗原として体内に入ると,B細胞で産生された抗体(IgE)がマスト細胞(肥満細胞)と結合する。このIgEに花粉が結合すると,マスト細胞からヒスタミンが放出されて,くしゃみや鼻水などの原因となる。
・エピトープ(抗原決定基)→抗原を形作る部位,実験考察問題で出題されるので言葉は覚えておこう。
■適応免疫
リンパ球を中心とした,抗原に対して特異的な反応。
体液性免疫と細胞性免疫がある。
・体液性免疫
抗体によって異物が排除される仕組み。B細胞から分化した形質細胞(抗体産生細胞)から抗体が放出される。
①抗原は樹状細胞により取り込まれ分解
②樹状細胞はヘルパーT細胞に抗原提示を行い,TCRで認識し活性化
③ヘルパーT細胞はサイトカインを放出し,その抗原をBCRで認識したB細胞を活性化
④B細胞が分化し形質細胞になる。
⑤形質細胞は抗体を産生し,抗原と結合することで抗原抗体反応をする
・細胞性免疫
抗体は関与せず,T細胞の働きで異物が排除される仕組み。
①抗原は樹状細胞により取り込まれ分解
②樹状細胞はヘルパーT細胞やキラーT細胞に抗原提示を行う。TCRで認識し,T細胞は活性化
③ヘルパーT細胞はサイトカインを放出し,マクロファージとその抗原に対応するキラーT細胞を活性化させる
④キラーT細胞は感染した細胞を攻撃し,活性化したマクロファージは活発な食作用を示す。
体液性免疫と細胞性免疫はともに,B細胞やT細胞の一部を記憶細胞として体内へ残り,二次応答のために備える。
■ホルモン
・受容体の場所
細胞内→ステロイドホルモン(性ホルモンとコルチコイド系),チロキシン
受容体は細胞内に存在し,DNAに結合して特定の遺伝子の発現を調節する。
細胞膜→ペプチド系ホルモン,アドレナリン
ホルモンが細胞膜上の受容体と結合すると,その近くにあるセカンドメッセンジャー(cAMPなど)が活性化する。そして他の酵素の活性化が起こり,特定の遺伝子の発現や酵素反応が調節される。
■体温調節
寒い時
①放熱の抑制→立毛筋の収縮・皮膚血管の収縮
②発熱の促進→代謝の促進・骨格筋の収縮(ふるえ)
暑い時
放熱の促進→発汗の促進・皮膚血管の拡張
体温上昇に関する神経やホルモン
・交感神経による立毛筋の収縮・皮膚血管の収縮
・チロキシンやアドレナリン,糖質コルチコイドによる肝臓や筋肉の代謝促進。アドレナリンは心臓の拍動の促進もしている。
・チロキシンについて
視床下部→(放出ホルモン)→脳下垂体前葉→(甲状腺刺激ホルモン)→甲状腺→チロキシン
明日の帝京大学(2日目)に向けて
昨日のブログでお伝えした通り,体内環境が1日目から多く出題された。2日目に関しても出題されることが予想されるので,「体内環境」はしっかりと確認をしておきましょう。
小問集合ですが,植物ホルモンも出題されているので「植物系」に関しても注意しておこう。
明日に向けて,「体内環境」「進化・系統」「動物の環境応答」について確認しておくと良いでしょう。明日も頑張ってきてください!
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