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【2026年私立医学部入試予想】細胞周期のチミジン標識実験|頻出の理由と解き方

解答速報/入試分析

2026年1月12日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。

本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した「細胞周期のチミジン標識実験」を解説していきます。

医学部志望の方はぜひご一読ください。

youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。

細胞周期とチミジン標識実験―「時間」を読めるかが合否を分ける―

私立医学部生物の入試問題は、年々はっきりとした方向性を示しています。

それは、「覚えているか」ではなく、「理解しているか」「説明できるか」を本気で見に来ている、ということです。

その流れの中で、プラタナス生物講師・市原先生が2026年入試予想ランキングの第1位に挙げたテーマが、「細胞周期とチミジン標識を用いた実験」です。

この内容は大変難しいので,動画解説を用意しています。ブログ記事と合わせてご確認ください。一見すると、細胞周期やDNA合成は、暗記で処理できそうな分野に見えるかもしれません。しかし、実際の私立医学部入試で問われているのは、用語の知識ではありません。

「細胞が、時間とともにどう移り変わるか」、「ある瞬間に標識された細胞が、その後どこに現れるか」
そうした“時間の流れ”を、論理的に追えているかどうかです。

出題があった年と大学を書いておきます。練習したい受験生は取り組んでみるといいでしょう。

2025年 関西医科大学

2024年 川崎医科大学

2024年 藤田医科大学

2022年 埼玉医科大学

2021年 東京医科大学(長時間標識)

2021年 日本大学(長時間標識)

2020年 愛知医科大学

ディズニーで「待ち時間」はどうやって測っているか?

ここで、少し身近な例を考えてみましょう。ディズニーランドのアトラクションでは、入口に「待ち時間○分」と表示されています。あの待ち時間は、列の最後尾からゴールまでをストップウォッチで測っているわけではありません。

実際には、ある時点で列にいる人に目印をつけ、その目印を持った人たちがどれくらいの時間で出口に現れるかを観察することで、人の流れ=待ち時間を推定しています。

個々の人を追いかけているのではなく、「ある瞬間の集団が、どのくらいの時間で次の地点に到達するか」を見ているのです。列に並んだ時にキャストさんからもらった人もいると思います。

実はこれが、チミジン標識実験の考え方そのもので、細胞周期におけるチミジン標識実験も、本質的にはまったく同じ発想です。

  • ある瞬間に
  • 特定の細胞だけに
  • 「目印」をつける
  • 時間をおいて観察する
  • どこに現れたかを見る

その結果から、細胞周期の長さや各期の割合を推定する。

だからこそ、この実験は「暗記」で解こうとすると破綻し、「流れ」で理解できていれば驚くほど素直に解けるのです。市原先生がこのテーマをランキング1位に挙げた理由も、まさにここにあります。

この記事では、細胞周期とチミジン標識実験を、単なる知識問題としてではなく、「時間を読む実験」として整理し直し、私立医学部が本当に見ているポイントを丁寧に解説していきます。

細胞周期(G1・S・G2・M)の問題で、私立医学部が好きなのがこのタイプです。

  • 短時間だけ³H-チミジンを与えて(=S期細胞だけが標識される)→長時間加える問題も存在する。
  • その後は非放射性培地で培養を続け
  • 「M期の細胞のうち、標識されている割合」を時間ごとに調べる

いわゆる “標識されたM期細胞割合の時間変化” から、G1・S・G2・Mを逆算する問題です。

この分野は暗記で殴ると崩れます。
しかし、読み方をテンプレ化すると、どの大学の問題でも同じ手順で処理できます。

大前提:なぜS期だけ標識されるのか

³H-チミジンは DNA合成の材料として取り込まれます。DNA合成が起こるのは S期のみ なので、「短時間標識(パルス)で標識されるのはS期の細胞だけ」ここが出発点です。

S期が染まる(=DNA合成を直接標識する)代表例

トリチウムチミジン(³H-チミジン)

  • 放射性同位体を用いたチミジン
  • DNA合成中の細胞(=S期)にのみ取り込まれる

② BrdU(ブロモデオキシウリジン)

  • チミジン類似体
  • DNA合成時に取り込まれる

③ EdU(エチニルデオキシウリジン) BrdUと同様にDNA合成時に取り込まれる

1. グラフで何を見ているか

グラフの縦軸は多くの場合、

  • 「M期の細胞の中で標識されている細胞の割合」
  • あるいは「分裂期細胞のうち標識されている割合」

です。つまり時間とともに、

  • S期で標識された細胞が
  • G2期を抜けてM期に到達し
  • M期が終われば去っていく

この“流れ”が、M期集団の中に現れるかどうかを追跡しています。

2. 解法テンプレ

このタイプのグラフは、ほぼ必ず

  • 0%が続く
  • ある時刻から増える(立ち上がり)
  • 最大値で横ばい(台形の上)
  • ある時刻から減る
  • 0%に戻る

という形(台形)になります。そこで、次の4点をまず拾います。

拾うべき時刻(台形の“4つの角”)

  • 立ち上がり開始(初めて標識M期が出る時刻)
  • 最大に達する時刻(横ばいに入る時刻)
  • 減少が始まる時刻(横ばいが終わる時刻)
  • ④ 0%に戻る時刻

この4つが拾えたら、あとは“差”で各期を出します。

3. 各期の読み取り規則(頻出の型)

ここからが「型」です。

(A) G2期は「立ち上がり開始」

なぜか:0時間でS期の終わり付近にいた細胞(標識済み)が、G2期を経てM期に入るまでの待ち時間だから。

だから、

G2期=(立ち上がり開始までの時間)

(B) S期は「立ち上がり開始→減少開始」の幅

ここは多くの大学の解説がこの読み方を採用します。

  • 標識された細胞がM期に入ってきて割合が増える
  • まだ標識された集団がM期に供給されている間は、減り始めない
  • その供給が尽きると減少に転じる

したがって、

S期=(立ち上がり開始)→(減少開始)の時間差

(C) M期は「横ばい区間」の幅

横ばい(一定)ということは、

  • M期の集団の中で標識割合が一定=
    “標識された細胞が流入してくる状況”と
    “標識された細胞が出ていく状況”が釣り合っている

入試ではここを M期の長さとして読ませる形が非常に多いです。

だから、

M期=(最大に達する)→(減少開始)の時間差

(D) G1期は「全体−(S+G2+M)」

細胞周期全体(T)が与えられているなら、

G1=T −(S+G2+M)

4. チェックリスト

解くときのチェックリストを最後に置いておきます。

チェックリスト

  • 「短時間標識」S期細胞だけ標識になっているか
  • 縦軸が「M期のうち標識された割合」か(=台形になる)
  • 立ち上がり開始をまず拾ったか(=G2)
  • 減少開始を拾ったか(=Sに関わる)
  • 横ばい区間を拾ったか(=Mに関わる)
  • 周期Tが与えられていれば、最後は G1=T−他 で締めたか

長時間標識する場合,必ずといっていいほど体細胞分裂の途中で分裂を停止させます。

その薬剤を見たことある状態にしておきましょう。

体細胞分裂の途中で停止させる薬剤

― サイトカラシンとコルヒチン ―

体細胞分裂は、「核分裂」と「細胞質分裂」という2段階の現象から成り立っています。そのため、どこを止める薬剤かによって、「分裂がどこまで進むか」「細胞がどうなるか」が大きく異なります。

私立医学部の実験問題では、この違いを構造と結果で説明できるかが問われます。

コルヒチン

― 紡錘糸を止めて「核分裂」を止める ―

作用点

微小管(チューブリン)

コルヒチンは、
微小管の構成タンパク質であるチューブリンに結合し、
微小管の重合を阻害します。

その結果、体細胞分裂に必須である紡錘糸が形成できなくなります

分裂はどこで止まるか

分裂期(M期)の中期

  • 染色体は凝縮している
  • 赤道面には並ぼうとする
  • しかし紡錘糸がないため、両極へ引き離されない

サイトカラシン

― 収縮環を止めて「細胞質分裂」を止める ―

作用点

アクチンフィラメント

サイトカラシンは、
アクチンフィラメントの重合を阻害します。

アクチンは、細胞質分裂の際に形成される収縮環の主成分です。

分裂はどこで止まるか

細胞質分裂

ここが非常に重要です。

  • 核分裂:正常に進行する
  • 細胞質分裂:起こらない

 分裂は「最後の段階」で止まります。

コルヒチンとサイトカラシンの決定的な違い

薬剤阻害する構造止まる段階
コルヒチン微小管(紡錘糸)M期(中期)
サイトカラシンアクチン(収縮環)細胞質分裂

まとめ ― チミジン実験が教えてくれること

チミジンを用いた細胞周期の実験は、一見すると「グラフを読んで時間を計算する問題」に見えるかもしれません。しかし、私立医学部がこのテーマを繰り返し出題する理由は、単なる計算力を測りたいからではありません。

この実験で本当に問われているのは、

・DNAはいつ合成されるのか
・標識された細胞は、時間とともにどのように細胞周期を進むのか
・集団としての細胞の振る舞いを、論理的に追えているか

という、生物学の「考え方」そのものです。

放射性チミジンで標識されるのはS期の細胞だけ。そこからG2期を経てM期に入り、やがて分裂を終えて次の周期へ進む。この流れを時間軸で追いかける視点を持てるかどうかで、問題の難易度は大きく変わります。

逆に言えば、「立ち上がり=G2期」「横ばい=M期」「減少開始まで=S期」という読み方の型を一度身につけてしまえば、大学が変わっても、グラフの形が変わっても、落ち着いて処理できるようになります。

細胞周期の問題は、覚えた知識を並べる問題ではありません。時間の流れをイメージし、現象を因果関係で説明する問題です。

だからこそ、このチミジン実験を「理解できた」と感じた瞬間、生物は暗記科目ではなく、武器になる科目に変わります。生物は、流れがつながったときに、一気に強くなる。その感覚を、ぜひ積み重ねていきましょう。

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