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【2026年私立医学部入試予想】小腸上皮細胞におけるグルコース輸送

解答速報/入試分析

2026年1月13日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。

本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した「小腸上皮細胞におけるグルコース輸送」を解説していきます。

医学部志望の方はぜひご一読ください。

youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。

小腸上皮細胞におけるグルコース輸送

私立医学部生物の入試問題は、年々はっきりとした方向性を示しています。

それは、「覚えているか」ではなく、「理解しているか」「説明できるか」を本気で見に来ている、ということです。

その流れの中で、プラタナス生物講師・市原先生と橋本先生の両名が2026年入試予想として共通して挙げているテーマが、「小腸上皮細胞におけるグルコース輸送」です。

このテーマは、橋本先生の予想で2位、そして市原先生の予想で9位にランクインしています。

SGLT、GLUT、ナトリウムポンプ。これらの名称自体は、多くの受験生がすでに知っているでしょう。しかし、私立医学部の入試で本当に問われているのは、それらを「知っているか」ではありません。

「なぜナトリウムイオンと一緒にグルコースが取り込まれるのか」
「なぜATPを直接使っていないのに、能動輸送といえるのか」
「もしナトリウムポンプが止まったら、何が起こるのか」

こうした問いに対して、細胞の構造と濃度勾配を踏まえて、筋道立てて説明できるかどうかそこが、得点できる受験生と失点する受験生の分かれ目です。

一見すると、この分野は暗記で処理できそうに見えます。しかし実際には、
「どちら側が腸管内か」「どちら側が血管側か」
「どの輸送体が、どの方向に働いているか」

を一つでも取り違えた瞬間に、説明は破綻します。

つまりこのテーマは、知識量ではなく、理解の深さをあぶり出すための王道テーマなのです。

本記事では、小腸上皮細胞の構造を起点に、グルコースが腸管内から血液中へ運ばれるまでの流れを、図がなくても説明できるレベルまで整理していきます。

出題があった年と大学も以下に挙げておきます。演習用として、ぜひ実際に解いてみてください。

2025年 帝京大学 3日目 

2024年 帝京大学 1日目 

2024年 聖マリアンナ医科大学

2022年 川崎医科大学 

2021年 久留米大学 

2021年 東京医科大学

2021年 岩手医科大学 

2020年 聖マリアンナ医科大学

2019年 東海大学

2016年 聖マリアンナ医科大学

小腸上皮細胞の「向き」を整理する

ここを曖昧にすると、すべてが破綻します。小腸上皮細胞のグルコース輸送を理解するうえで、絶対に外してはいけないのが「向き」です。ここが曖昧なまま進むと、SGLTもGLUTもNa⁺/K⁺ポンプも、すべて混乱します。

必ず、次の2つをはっきり区別してください。

  • 管腔側(=腸管内側)
  • 血管側(=毛細血管側)

この向きを基準に、輸送体の配置を整理します。

配置の整理

  • SGLT:腸管腔側
  • GLUT:血管側
  • ナトリウムポンプ:血管側

この配置は、毎年のように入試で確認されます
まずはこの3点を、図がなくても即答できる状態にしてください。

グルコース輸送は「3段階」で考える

小腸上皮細胞におけるグルコース輸送は、必ず3段階に分けて考えます。

第1段階:SGLT ― グルコースが細胞内に入る瞬間

まず注目すべきは、腸管内(管腔側)に存在するSGLTです。SGLTは、Na⁺とグルコースを同時に細胞内へ取り込む共輸送体です。

ここで重要なのは次の点です。

  • グルコースは濃度勾配に逆らって細胞内に入る
  • SGLT自身はATPを直接使わない
  • Na⁺は濃度勾配に従って入ってくる

つまりSGLTは、Na⁺が持つ「下り坂の力」を利用して、グルコースを引きずり込む装置だと考えると分かりやすいでしょう。

私立医学部がここで見ているのは、「SGLT=能動輸送」と丸暗記しているかではなく、なぜ逆らって入れるのかを説明できるかです。

第2段階:GLUT ― 血管側への放出

次に、細胞内に入ったグルコースの行き先を考えます。グルコースは、血管側に存在するGLUTを通って、毛細血管へと放出されますGLUTの特徴は非常にシンプルです。

  • 濃度勾配に従って輸送
  • エネルギー不要
  • 促進拡散

つまり、「細胞内にたまったグルコースを、自然に外へ逃がす出口」がGLUTです。ここでGLUTを阻害すると、グルコースは細胞内にたまり、血液中へ出られなくなるという典型的な実験問題が成立します。

第3段階:ナトリウムポンプ ― 細胞内に入ったNaを排出する

最後に登場するのが、血管側に存在するナトリウムポンプです。このポンプは、以下のような役割を持っています。

  • ATPを使ってNa⁺を細胞外へ排出
  • Na⁺濃度を細胞内で低く保つ
  • SGLTが働くための条件を維持する

重要なのは、ナトリウムポンプ自体はグルコースを一切動かさないという点です。しかし、このポンプが止まると、以下のような連鎖が起こります。

  • Na⁺濃度勾配が消える
  • SGLTが働けなくなる
  • グルコースの取り込みが止まる

ナトリウムポンプは、グルコース輸送の「土台」これが最終的な位置づけです。

なぜ「SGLTは能動輸送なのにATPを使わない」のか

ここまでを踏まえると、よく出るこの問いにも、自然に答えられます。

グルコース輸送そのものはATPを直接使わないが、Na⁺濃度勾配を維持するためにナトリウムポンプがATPを消費している。そのため、小腸上皮細胞でのグルコース輸送は二次性能動輸送である。

この説明ができれば、私立医学部生物では十分に戦えます。

ウアバイン(ouabain)とは何か

― 入試生物での位置づけ ―

ウアバインは、ナトリウムポンプ(Na⁺-K⁺-ATPアーゼ)を特異的に阻害する薬剤です。

私立医学部生物では、ウアバインは「薬の名前」を覚えるためのものではありません。
ナトリウムポンプの役割を、本当に理解しているかを確認するための“道具”として登場します。

ウアバインの作用点

作用点はただ一つ。細胞膜上の ナトリウムポンプを阻害することです。

  • Naを細胞外へくみ出せなくなる
  • Kを細胞内へ取り込めなくなる
  • ATPはあってもポンプは動かない

ここが非常に重要です。ウアバインを加えると、何が起こるか

① Na⁺濃度勾配が崩れる

ナトリウムポンプが止まる

細胞内のNa⁺濃度が上昇
細胞外とのNa⁺濃度勾配が消失

 すべての異変はここから始まる

② SGLTが機能しなくなる

SGLTは
Na⁺の濃度勾配を利用してグルコースを取り込む共輸送体です。

しかし、

  • Na⁺勾配がない
    → Na⁺が流れ込まない
    → グルコースも一緒に入れない

 SGLTはATPを直接使わないが、ウアバインで止まる。ここが入試最大の狙い所です。

③ グルコース吸収が停止する

  • 腸管腔側:SGLTが止まる → グルコースが細胞に入らない
  • 血管側:GLUTはあっても材料が来ない

結果として、小腸でのグルコース吸収はほぼ完全に停止

ウアバインと「二次性能動輸送」の関係

グルコース輸送は、

  • グルコース自体はATPを使わない
  • しかし、その前提条件として
    ナトリウムポンプがATPを消費している

ウアバインは、この「背景でATPを使っている仕組み」をピンポイントで破壊します。だからこそ、ウアバインを加える= 二次性能動輸送の“エネルギー源”を断つという理解が必要になります。

入試でよくあるひっかけ

すべて同じ理屈で説明できます。私立医学部では、次のような条件変化がよく出題されます。

  • Naを除くとどうなるか
  • 低温にするとどうなるか
  • ATP合成阻害剤を加えるとどうなるか

一見バラバラに見えますが、すべて同じ結論に帰着します。

Na⁺濃度勾配が維持できなくなる

その結果、

  • SGLTが働かない
  • グルコースが取り込めない

という流れになります。

小腸上皮細胞における結合は?

答えは密着結合です。

密着結合とは何か

密着結合とは、隣り合う上皮細胞同士の細胞膜が強く密着し、細胞間隙をほぼ完全に遮断する結合構造です。小腸上皮細胞では、この密着結合が最も管腔側(頂端側)に存在します。

小腸で密着結合が重要な理由

小腸の役割は、以下のような極めて精密な機能です。

  • 栄養分を選択的に吸収する
  • 不要な物質を体内に入れない

そのため、細胞と細胞のすき間を物質が自由に通過してしまうと、制御された吸収が成り立たちません。

そこで密着結合が働き、

  • 細胞間隙(傍細胞経路)を遮断
  • 栄養分は 細胞内(経細胞経路)を通ってのみ移動

という状態を作り出しています。

密着結合がつくる「輸送の前提条件」

小腸上皮細胞におけるグルコース輸送は、

  • 腸管腔側:SGLT
  • 血管側:GLUT

という極性(向き)をもった輸送によって行われます。この極性が機能するための前提が、密着結合です。密着結合があることで、

  • Na⁺が細胞間から漏れない
  • グルコースが勝手に血管側へ拡散しない
  • 輸送体の「向き」が意味をもつ

密着結合は、グルコース輸送を成立させる「土台」であると言えます。

まとめ

小腸上皮細胞におけるグルコース輸送は、「輸送体の名前」を覚える問題ではありません。

Na⁺の濃度勾配がどこで作られ、
どこで利用され、
どこで解放されるのか。

この流れを説明できた瞬間、この分野は暗記から理解へと変わります。私立医学部生物では、その一歩先の理解が、そのまま合否につながります。

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