アクセス

随時受付中

無料体験・相談

お申し込みはこちら

アクセス

03-3868-3006

営業時間
8:30〜21:30(平日・土曜日)
10:00~19:00(日曜)
定休日
日曜

【2026年私立医学部入試予想】ショウジョウバエ|頻出の理由と解き方

解答速報/入試分析

2026年1月14日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。

本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した「ショウジョウバエ」を解説していきます。

医学部志望の方はぜひご一読ください。

youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。

なぜ今、ショウジョウバエなのか

大学入試、とくに私立医学部を目指す受験生にとって、生物の学習内容は年々変化しています。かつてのように、「用語を覚えているか」「定義を暗記しているか」を問う問題は減少しています。

現在の入試で重視されているのは、生命現象を流れとして理解しているか遺伝子と形づくりの関係を論理的に説明できるかという力です。

その流れの中で、市原先生が2026年入試予想ランキング第3位に挙げているテーマが、
「ショウジョウバエ」です。

実際に,下記に示す大学で問題を解くことができるので,演習しておきましょう。

2025年 獨協医科大学

2024年 福岡大学

2024年 帝京大学

2024年 東京医科大学

2024年 自治医科大学

2023年 日本大学

2023年 東京慈恵会医科大学

2022年 福岡大学

2022年 藤田医科大学

2022年 岩手医科大学

2022年 杏林大学

2021年 川崎医科大学

2021年 獨協医科大学

2021年 東京女子医科大学

2021年 昭和医科大学

2020年 関西医科大学

2020年 東京慈恵会医科大学

2020年 東邦大学

2019年 久留米大学

本記事ではショウジョウバエを題材に、

  • 胚の構造(心黄卵・表割)
  • 母性効果遺伝子(ビコイド・ナノス)
  • 分節遺伝子の階層構造
  • ホメオティック遺伝子と突然変異
  • 母性遺伝と誤解されやすいポイント

を、初学者にもわかるように、かつ入試レベルで正確に解説していきます。その前に,突然変異に興味を持ちましょう!

大仏殿の蝶が教えてくれる「体の設計図」の話

― ホメオティック遺伝子は教科書の中だけの存在ではない ―

奈良・東大寺の大仏殿。その足元の装飾に、2匹の蝶がいることをご存じでしょうか。よく見ると、その蝶には脚が6本ではなく、8本あります。昆虫である蝶の脚は本来6本のはずです。では、なぜ8本なのでしょうか。

これは単なる装飾上の遊びではありません。この蝶は、発生生物学の視点から見ると極めて示唆的な存在です。

これは,「蝶」の話ですが,今からは「ショウジョウバエ」の話です!

ショウジョウバエ胚の特徴:心黄卵と表割

ショウジョウバエの発生を理解するうえで、まず押さえるべきなのが卵の構造です。ショウジョウバエの卵は、心黄卵に分類されます。

心黄卵とは何か

心黄卵とは、卵黄が卵の中心部に集中している卵のことを指します。この大量の卵黄の存在が、ショウジョウバエ特有の分裂様式を生み出します。

表割(ひょうかつ)という特殊な分裂

ショウジョウバエでは、受精後すぐに細胞分裂が始まりますが、最初の数回の分裂では、細胞質の分裂(細胞膜の形成)が起こりません。

その結果、

  • 核だけが次々と分裂する
  • 多数の核が1つの細胞質中に存在する

という状態になります。

やがて、核が卵の表面に移動し、表面付近で細胞膜が一斉に形成される分裂様式を、表割と呼びます。

母性効果遺伝子とは何か(ビコイド・ナノス)

ショウジョウバエ発生の最大の特徴は、受精前から、胚の設計図がある程度決まっている点です。

その中心となるのが、母性効果遺伝子です。

母性効果遺伝子とは、胚自身の遺伝子ではなく、母親の遺伝子産物(mRNAやタンパク質)が、胚の初期発生を決定する遺伝子のことを指します。

重要なのは、受精卵の形質が「母親の遺伝子型」によって決まるという点です。

ビコイド遺伝子

ビコイドは、胚の前端(頭側)を決める母性効果遺伝子です。

  • 母親の卵巣で作られたビコイドmRNA
  • 卵の前端側に局在
  • 受精後ビコイドタンパク質が濃度勾配を形成

この濃度勾配によって、「ここが頭になる」という情報が胚全体に伝えられます。

ナノス遺伝子

ナノスは、胚の後端(腹側・尾側)を決める母性効果遺伝子です。

ビコイドと対になる存在で、後端側に局在し、後方構造の形成を制御します。

ビコイドとナノスの勾配によって、胚の前後軸が決定される」ということが、入試で極めて重要なポイントです。

分節遺伝子:体は「段階的」に作られる

前後軸が決まったあと、胚は「どこに何個の体節を作るか」を決めていきます。ここで登場するのが、分節遺伝子です。分節遺伝子は、3段階の階層構造を持っています。

ギャップ遺伝子

最初に働くのが、ギャップ遺伝子です。

  • 胚全体を大まかな領域に分割する
  • 欠失すると、連続した複数の体節がまとめて欠ける

この段階では、まだ体節の数や細かい位置は決まっておらず、「前・中・後」などの大枠を指定する役割を担っています。「ギャップ=大きなすき間が空く」というイメージで理解するとよいでしょう。

ペアルール遺伝子

次に働くのが、ペアルール遺伝子です。

  • 胚の中に7本の縞模様として発現する
  • 体節が2つおきに形成される

この段階で、体節の配置のリズム(偶数・奇数の並び)が決まります。つまり、ペアルール遺伝子は、「体を7つのペア単位で区切る」役割を担っているのです。

セグメントポラリティ遺伝子

最後に働くのが、セグメントポラリティ遺伝子です。

  • 発現パターンは14本の縞模様
  • 各体節の前後の向き
  • 体節内部の極性(頭側・尾側)を決定する

ペアルール遺伝子によって作られた7つの体節単位が、この段階でさらに分割され、最終的に14個の体節として完成します。体の精密設計を担う最終段階の遺伝子といえます。

ホメオティック遺伝子と突然変異

体節ができたあと、「どの体節が、どの器官になるか」を決めるのがホメオティック遺伝子です。

ホメオティック遺伝子とは

ホメオティック遺伝子は、体の部位の「アイデンティティ(正体)」を決める遺伝子です。

アンテナペディア突然変異

ホメオティック突然変異は「部位が別の部位に変わる」突然変異です。有名な例として、アンテナペディア突然変異が挙げられます。これは、本来「触角」になる部分に脚が形成される突然変異です。

アンテナ「触角」がped 脚になる。ped は足と関連することを覚えておきましょう。

「ped」は「足」を意味する

ped は、ラテン語で「足」を意味する語根です。私たちが日常的に使っている言葉にも、数多く登場します。

  • ペダル(pedal
     → 足で踏むもの
  • ペディキュア(pedicure
     → 足の爪の手入れ
  • 歩行者(pedestrian
     → 足で歩く人
  • ムカデ(centipede
     → 「centi(100)」+「pede(足)」=百足=足の多い生物

 「ped = 足」これは生物に限らず、語源として共通しています。

バイソラックス突然変異

もう1つ有名なのが、バイソラックス突然変異です。これは、翅が1対のはずのショウジョウバエに翅が2対できる突然変異です。これも、体節の運命が誤って指定された結果です。

ホメオボックスとホメオドメイン

ショウジョウバエの発生を学んでいくと、ある事実に行き着きます。体の形を決める遺伝子は、実はショウジョウバエだけのものではないということです。

ホメオティック遺伝子には、生物種を超えて共通する、非常に重要なDNA配列が存在します。それが、ホメオボックスです。

ホメオボックスとは何か

ホメオボックスは、以下のような特徴を持ちます。

  • 約180塩基対からなるDNA配列
  • ホメオティック遺伝子に共通して存在
  • 進化の過程で強く保存されてきた配列

この「保存されている」という点が、極めて重要です。進化の過程では、多くのDNA配列が変化してきました。

しかしホメオボックスは、昆虫からヒトに至るまで、ほとんど形を変えずに残されてきたのです。これはつまり、「体の基本設計を決める情報は、生物共通である」ということを意味しています。

ホメオドメインとは何か

ホメオボックスはDNA上の配列ですが、その配列から翻訳されてできるタンパク質の中に、もう一つ重要な構造があります。それが、ホメオドメインです。

ホメオドメインは、以下のような特徴を持ちます。

  • ホメオボックス由来のアミノ酸配列からなる
  • DNAに直接結合する領域
  • 他の遺伝子の発現を制御する部分

つまり、ホメオティック遺伝子が作るタンパク質は、ホメオドメインを使ってDNAに結合し、「この体節では、この遺伝子を働かせろ」と指示を出している、ということになります。

DNA → タンパク質 → 体の形

ここで、流れを整理しましょう。

  • ホメオボックス
     → DNA上に存在する共通配列
  • ホメオドメイン
     → その配列から作られたタンパク質中のDNA結合部位

この仕組みによって、遺伝子が、遺伝子を制御する、という階層的な制御が可能になります。

母性遺伝とは何か|「母からしか受け継がれない」ではない

生物でいう母性遺伝とは、母親の遺伝子型が、子の表現型を決定する遺伝形式を指します。

まず大切なのは、「母性遺伝=母親からしか遺伝しない」ではない という点です。

母性遺伝で決まるのは、子の形質そのものではなく、その形質がどう現れるかです。

母性遺伝の正確な定義(入試用)

母性遺伝とは、受精卵の初期発生が、胚自身の遺伝子ではなく、母親由来の遺伝子産物(mRNAやタンパク質)によって決定される遺伝形式のことをいいます。

ポイントは、母親の遺伝子が作った「物質」が効いているという点です。

ショウジョウバエにおける母性遺伝(ビコイド)

母性遺伝の代表例が、ショウジョウバエのビコイド遺伝子です。

何が起こっているか

  • 母親の卵巣でビコイド遺伝子が発現
  • ビコイド mRNAが卵の前端に局在
  • 受精後、ビコイドタンパク質の濃度勾配が形成
  • その濃度に応じて、胚の前後軸(頭と尾)が決定

つまり、受精した時点ですでに設計図が置かれているのです。

なぜ「母性遺伝」と呼ばれるのか

ここが入試で一番大切な部分です。胚自身の遺伝子(父由来・母由来)は、初期発生ではまだ十分に働いていません

そのため、胚の形は母親があらかじめ用意した物質に依存する、という状態になります。その結果、子の形質が、母親の遺伝子型で決まるように見える、これを母性遺伝と呼びます。

よくある誤解:「母からしか遺伝しない」

❌ 誤解

母性遺伝=母親からしか遺伝しない

⭕ 正しい理解

母親由来の遺伝子産物が、初期発生を支配している

父親の遺伝子が無視されているわけではなく、働くタイミングが遅いだけです。

よくある誤解:ミトコンドリア遺伝との混同

母性遺伝は、ミトコンドリア遺伝と混同されやすいですが、これは全く別の概念です。

項目母性遺伝ミトコンドリア遺伝
決定要因母の遺伝子産物ミトコンドリアDNA
遺伝子の場所核DNAミトコンドリアDNA
本質発現のタイミングDNAの継承

母性遺伝=発生の制御
ミトコンドリア遺伝=DNAの遺伝

入試での典型的な問われ方

  • 「なぜビコイドは母性遺伝といえるか」
  • 「胚自身の遺伝子が働く前に何が決まるか」
  • 「母親の遺伝子型が子の表現型を決める理由を説明せよ」

これらはすべて、「母親由来のmRNA・タンパク質が初期発生を制御している」と説明できれば対応できます。

ショウジョウバエは「生命設計図」の教科書

ショウジョウバエの発生は、単なる昆虫の話ではありません。

・遺伝子がどの順番で働くのか
・形がどうやって決まるのか

という、生命科学の根幹を教えてくれます。私立医学部の入試においても、この分野は今後さらに多く出題されるでしょう。

プラタナスでは、こうした暗記では太刀打ちできない生物を、「流れ」で理解し、「説明できる力」に変える指導を行っています。

もし、

  • 生物が苦手
  • どこから手をつければよいかわからない
  • 医療系学部に本気で合格したい

と感じている方は、ぜひ一度、プラタナスまでお問い合わせください。

理解できた瞬間、生物は最も強い武器になります。

医学部専門予備校プラタナスへのお問い合わせ

その他入塾やご質問事項に関しては「お問い合わせ」または「LINE無料相談」からお気軽にご連絡ください。面談はリモートでも受け付けております。

youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。

ブログ一覧

無料LINE相談

随時受付中

無料
体験・相談

お申し込み