解答速報/入試分析
2026年1月17日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。
本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した「人類の特徴」を解説していきます。
医学部志望の方はぜひご一読ください。
※youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。
はじめに「霊長目」と「人類」を分けて考えられていますか?
私立医学部生物の入試問題は、年々はっきりとした方向性を示しています。それは、「覚えているか」ではなく、「理解しているか」「説明できるか」を問う試験へと進化しているという点です。
そしてこの流れは、新課程によって、さらに加速しています。新課程では、「進化」に関する内容が単なる知識の列挙ではなく、形態の違いがどのような進化的背景によって生じたのか、分類のレベルごとに、どの特徴が共通で、どこからが固有なのかといった、構造的な理解がより強く求められるようになりました。
その中でも、特に重要度を増しているのが、「霊長目の特徴」と「人類の特徴」です。
実際、プラタナス生物講師・橋本先生の2026年入試予想ランキングでも、このテーマは第5位にランクインしています。
出題されている大学
2025年 日本医科大学
2025年 東海大学
2024年 金沢医科大学
2024年 東海大学
2023年 獨協医科大学
2022年 金沢医科大学
2022年 東邦大学
2021年 北里大学
2020年 順天堂大学
ぜひ、本記事を読んだあとに練習してみてください。橋本先生の入試分析を踏まえつつ、以下のようなポイントを「区別できるようになる」ことを目的に整理していきます。
- 霊長目の特徴とは何か
- 人類に特有の特徴とは何か
- なぜ受験生はここで混乱するのか
- 新課程入試で、どのように問われるのか
単なる暗記リストではなく、「なぜその特徴が生じたのか」、「どこまでが霊長目で、どこからが人類なのか」を、筋道立てて理解できる構成にしています。
進化の単元が苦手な受験生ほど、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
なぜ「霊長目の特徴」と「人類の特徴」は混乱しやすいのか
進化の単元の中でも、「霊長目の特徴」と「人類の特徴」は、多くの受験生が苦手とする分野です。
知識量そのものが多いわけではありません。それでも混乱が生じる最大の理由は、非常にシンプルです。
「霊長目」と「人類」の特徴を、すべて一つのリストとして覚えてしまっているということが、混乱の根本原因です。たとえば、以下のようなポイントを見てみましょう。
- 拇指対向性
- 立体視
- 二足歩行
- 骨盤の形
これらをすべて「人類っぽい特徴」として一括りに暗記してしまうと、入試問題で「霊長目の特徴を選べ」、「人類に特有な特徴を選べ」と問われた瞬間に、判断がつかなくなります。
ここで重要なのは、「霊長目」と「人類」は、分類のレベルがまったく異なるという視点です。
霊長目の特徴とは何か
まずは、霊長目の特徴から整理しましょう。霊長目とは、ヒト、サル、類人猿を含む、「目(もく)」という分類群です。
つまり、ヒトだけに見られる特徴ではなく、サル全体に共通する性質、これが「霊長目の特徴」です。
霊長目の代表的な特徴
① 立体視が可能
- 眼が顔の前方に配置されている
- 両眼視によって奥行きを正確に把握できる
これは、樹上生活への適応として非常に重要な特徴です。枝から枝へ移動する際、距離を正確に測る必要があったためです。
→「前を見る」「距離を測る」ための進化
② 平爪
- 鋭い鉤爪ではなく、平たい爪
- 指先の感覚が発達
これにより、物をつかんだり、操作したりする能力が向上しました。
→細かい作業に向く手
③ 拇指対向性
- 親指が他の指と向かい合う
- モノを握る・つかむ動作が可能
これは後の道具使用の基盤となる重要な特徴です。
→道具操作の土台
④ 肩関節の自由度が高い
- 腕をさまざまな方向に動かせる
- 木から木へ移動する運動に適応
霊長目の特徴のまとめ
ここで必ず押さえておきたいポイントがあります。これらの特徴はすべて、ヒトに限らず、サルにも共通するものです。
→ここまでは「人類だけの特徴」ではありません。
人類の特徴とは何か
次に、人類(ヒト属)に特有の特徴を整理します。人類の最大の特徴は何でしょうか。結論は明確で、「直立二足歩行に完全に適応したこと」。これが、人類進化の核心です。
人類の特徴は、すべて「二足歩行への適応」という視点で説明できると考えると、一気に整理できます。
人類の特徴(入試頻出)
① 直立二足歩行
- 常に二足で歩行
- 手が移動から解放される
これにより、道具使用や脳の発達が促されました。
② 大後頭孔が頭骨の真下
- 脊柱が頭骨の真下につながる
- 頭を垂直に支える構造
→二足歩行の決定的証拠
③ 幅広い骨盤
- 内臓を支える
- 体を安定させる
→二足歩行時のバランス保持に重要
④ 土踏まずの発達
- 歩行時の衝撃吸収
- 効率的な移動が可能
→長距離歩行に有利
⑤ 眼窩上隆起の消失
- 顔つきが平坦化
- 脳容量の増大と関連
⑥ あごの小型化と「おとがい」の発達
- 咀嚼筋の縮小
- 言語・表情の発達と関連
⑦ 犬歯の小型化
- 闘争用の牙が不要に
- 社会性の発達を反映
⑧ 脊柱のS字状湾曲
- 頸椎・腰椎が前弯
- 胸椎が後弯
→ 直立姿勢を安定させ、歩行時の衝撃を吸収
→二足歩行とセットで問われやすい
霊長目と人類を一発で見分ける視点
入試対策として、最も重要な考え方を紹介します。それは、「二足歩行と直接関係があるか?」ということです。
- YES → 人類の特徴
- NO → 霊長目の特徴(または霊長目にも共通)
例:
- 拇指対向性 → ✕(サルも持つ)
- 大後頭孔の位置 → ◎(人類特有)
このフィルターを通すだけで、選択肢問題の正答率は一気に上がります。
入試で狙われるポイントと新課程の影響
私立医学部では、以下のような問題が頻出です。
- 霊長目と人類の特徴を混ぜた選択肢
- 「どちらに当てはまるか」を問う問題
- 二足歩行との因果関係を説明させる記述
新課程では特に、進化を「流れ」として理解できているかが強く問われるようになっています。
最古の人類から現在まで ― 脳の進化が語る人類史
ここまで、霊長目の特徴と人類の特徴を整理してきました。最後に見ておきたいのが、人類がどのような過程を経て現在の姿に至ったのかです。
新課程では、進化を「点」ではなく「時間の流れ」として理解できているかがより重視されるようになっています。
特に、人類進化において重要な指標となるのが、脳容積の変化です。
※年代は覚えやすいように,大体で記入しています。
① 約700万年前:サヘラントロプス・チャデンシス
現在知られている中で、最古級の人類(ヒト系統)とされる存在です。
- 二足歩行の可能性が示唆される頭骨
- ただし、脳容積は類人猿と大きく変わらない
→「二足歩行の始まり」と「脳の大型化」は同時ではない
この点は、入試でも重要な視点です。
② 約400万年前:アウストラロピテクス(猿人)
人類進化を語るうえで、極めて重要な段階です。
- 明確な直立二足歩行
- 骨盤や下肢が二足歩行に適応
- しかし、脳容積は約500 mL程度
ここで押さえるべきポイントは、二足歩行はすでに完成しているが、脳はまだ小さいという点です。
→「歩く能力」と「考える能力」は別々に進化した
③ 約200万年前:ホモ・エレクトス(原人)
この段階で、人類は大きな転換点を迎えます。
- 脳容積が約900 mL前後に増加
- 石器の使用
- 火の利用が始まる
二足歩行によって自由になった手が、本格的な道具使用へとつながった段階です。
④ 約70万年前:ホモ・ハイデルベルゲンシス(旧人)
- 脳容積はさらに増大(約1200 mL前後)
- 集団での狩猟
- 社会的行動の発達
ここから、脳の大型化と社会性の発達が強く結びつくようになります。
⑤ 約40万年前:ホモ・ネアンデルターレンシス(旧人)
- 脳容積は現代人と同程度、あるいはそれ以上
- 高度な道具使用
- 葬送行動の痕跡
⑥ 約20万年前:ホモ・サピエンス(新人)
現在の私たちに直接つながる人類です。
- 脳容積:約1500 mL
- 高度な言語能力
- 抽象的思考
- 芸術・文化の発達
ここで注目すべきなのが、アウストラロピテクスからの脳容積の変化です。
脳容積の変化が示す決定的な事実
- アウストラロピテクス:約500 mL
- ホモ・サピエンス:約1500 mL
約3倍に増大しています。これは単なる「大きさの違い」ではありません。情報処理能力の向上、言語の発達、社会構造の高度化、文化の継承といった、人類らしさの基盤そのものが、この脳の進化によって支えられています。
入試で問われる視点
ここで、入試でよく狙われる考え方を整理します。
- 二足歩行は早期に完成
- 脳の大型化は後から進行
- 道具使用・社会性・言語は脳の進化と連動
つまり、「まず歩けるようになり、後から考える能力が発達した」ということです。この流れを説明できるかどうかが、新課程入試では重要になります。
まとめ|進化は「整理できた人」から得点源になる
- 霊長目の特徴:サル全体に共通
- 人類の特徴:直立二足歩行への完全適応
- 混乱の原因は一括暗記
- 解決策は「二足歩行フィルター」
- 最古の人類は約700万年前に登場
- 二足歩行はアウストラロピテクスの段階で確立
- 脳容積は
約500 mL → 約1500 mLへ、約3倍に増大 - 人類進化は「歩行 → 手の自由化 → 脳の発達」という流れ
進化の単元は、暗記ではなく「時間軸」で理解できたときに完成します。
このブログが、霊長目と人類の違いを見抜くための「軸」になれば幸いです。
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