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【2026年私立医学部入試予想】赤血球|頻出の理由と解き方

解答速報/入試分析

2026年1月19日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。

本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した「赤血球-ミトコンドリアをもたない細胞がATPを使える理由-」を解説していきます。

医学部志望の方はぜひご一読ください。

youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。

はじめに|なぜ「赤血球」が医学部生物入試で狙われるのか

「ただの血液の細胞」では医学部入試で通じない

医学部入試において、「赤血球」は一見すると単純な暗記テーマに見えます。

  • 核がない
  • ミトコンドリアがない
  • 酸素を運ぶ

多くの受験生は、ここで思考を止めてしまいます。しかし近年の入試では、「では、その赤血球はどうやって生きているのか」、「ATPをどう確保し、イオン濃度をどう保っているのか」といった、一段深い理解が問われるようになっています。

橋本先生の2026年医学部入試予想ランキングでは、赤血球が第10位にランクインしています。それはつまり、“構造と機能を結びつけて説明できるか”を問う、格好の題材だからです。

過去の医学部入試での出題例

2025年 自治医科大学

2024年 札幌医科大学(公立)

2016年 東京慈恵会大学

2014年 東海大学

記事を読んだあとに挑戦してみてください。

赤血球の最大の特徴 ― 核もミトコンドリアもない

まず、赤血球の構造的特徴を整理しましょう。赤血球は、成熟すると、核をもたない、ミトコンドリアをもたない、リボソームもほぼ失うという、非常に特殊な細胞です。

なぜ核やミトコンドリアを失うのか

理由は明確で、酸素運搬に特化するためです。

  • 核を失う → 内部空間が増える
  • ミトコンドリアを失う → 酸素を消費しない

結果として、ヘモグロビンを最大限詰め込める細胞になります。

しかし、ここで疑問が生じます。

ミトコンドリアがないのにATPはどこから来るのか?

赤血球にはミトコンドリアがありません。つまり、クエン酸回路、電子伝達系は存在しないということです。それにもかかわらず、赤血球ではナトリウムポンプといった、ATPを必要とする反応が常に起こっています。

ATPは「解糖系」で作っている

赤血球がATPを得る方法は、ただ一つです。それは、解糖系のみで以下の反応が起こっているためです。

  • グルコース → ピルビン酸
  • 1分子あたり2ATP

このATPだけで、赤血球は生きています。赤血球は「解糖系依存型細胞」と理解すると、一気に整理できます。

赤血球内はK⁺が多い ― ナトリウムポンプは働いている

ここが、入試で非常によく問われるポイントです。

赤血球のイオン分布

  • 細胞内:Kが高濃度
  • 細胞外:Naが高濃度

これは、他の体細胞と同じです。つまり、赤血球でもナトリウムポンプは働いているということになります。

しかしここで矛盾が生じます。ナトリウムポンプはATPを消費し、赤血球にはミトコンドリアがありません。では、そのATPはどこからくるのでしょうか。

ナトリウムポンプを動かすATPの正体

結論は先ほど紹介したとおりですが、解糖系で作られたATPです。赤血球では、グルコースを取り込む、解糖系でATPを作る、そのATPでナトリウムポンプを動かすという流れが成立しています。

ミトコンドリアがなくてもATP依存反応は可能

これは、「ATP=ミトコンドリア産」という誤解を正す非常に重要な知識ですので、ぜひ覚えておきましょう。

実験操作で見抜く赤血球の本質

ここからは、入試頻出の「操作系問題」です。

低温にすると、なぜ細胞内K濃度が下がるのか

低温にすると、酵素反応が低下し、解糖系の進行が鈍り、ATP産生が低下します。結果として、ナトリウムポンプが十分に働かなくなります。

そのため、K⁺が細胞外へ流出し、細胞内K⁺濃度が低下します。

グルコースが枯渇すると、なぜKが減るのか

これも同じ理屈です。グルコースがない→解糖系が止まる→ATPが作れない→ナトリウムポンプが停止→ K⁺濃度は維持できない、という流れです。

外液にグルコースを加えると回復する理由

外液にグルコースを加えると、赤血球がグルコースを取り込む→解糖系が再開→ATPが再び供給される→ナトリウムポンプが再稼働→K⁺濃度が回復する、という流れです。

外からATPを入れても意味がない理由

これは非常に重要です。ATPは細胞膜を自由に通過できません。そのため、

  • 細胞外ATP → 利用不可
  • 細胞内ATP → 利用可能

「ATPはどこで存在するか」が重要という点が、ここで問われています。

鎌状赤血球貧血症 ―「構造のわずかな違い」が命を左右する

赤血球の理解が、単なる生理の話では終わらないことを示す代表例が鎌状赤血球貧血症です。この疾患は、赤血球の形が変わるだけで、全身に深刻な影響が出ることを教えてくれます。

鎌状赤血球貧血症とは何か

鎌状赤血球貧血症は、遺伝性の血液疾患です。原因は非常にシンプルで、ヘモグロビンβ鎖の6番目のアミノ酸が1か所置き換わる、ただそれだけです。

  • 正常:グルタミン酸
  • 変異:バリン

「6番目のアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置き換わる」。1アミノ酸置換による疾患です。ここで、置換には3種類あったことも復習しておきましょう。塩基置換は、結果として次の3種類に分類されます。

  • 同義置換(サイレント変異)
  • 非同義置換(ミスセンス変異)
  • ナンセンス変異

この分類は、「アミノ酸配列がどうなるか」を基準にしています。

同義置換(サイレント変異)

定義

塩基が置き換わっても、指定されるアミノ酸が変わらない置換を同義置換(サイレント変異)と呼びます。

なぜ起こるのか

例:

  • GCU
  • GCC
  • GCA
  • GCG

これらはすべて、アラニンを指定します。そのため、塩基が変わってもアミノ酸が変わらない、ということが起こります。

ミスセンス変異

定義

塩基置換によって、指定されるアミノ酸が別のアミノ酸に変わる置換をミスセンス変異といいます。

代表例:鎌状赤血球貧血症

ミスセンス変異の最重要例が、鎌状赤血球貧血症です。グルタミン酸からバリンという、たった1か所の置換にもかかわらず、ヘモグロビンの性質が変化し、赤血球が鎌状に変形するという重篤な疾患を引き起こします。

このように、ミスセンス変異は、影響が軽い場合から致命的な場合まで幅が広いという点が重要です。

ナンセンス変異

定義

塩基置換によって、アミノ酸指定のコドンが終止コドンに変わる置換をナンセンス変異と呼びます。

何が起こるか

  • 翻訳が途中で終了
  • 短いタンパク質が合成される
  • 多くの場合、機能をもたない

影響は非常に大きいというのが特徴です。

なぜ形が「鎌状」になるのか

変異ヘモグロビン(HbS)は、酸素が十分あるときは比較的安定していますが、酸素が少ないときは分子同士が凝集します。

その結果、ヘモグロビンが繊維状に重合し、赤血球内部の構造がゆがむことで、円盤状から鎌状に変形します。

低酸素状態が引き金になるという点は、入試頻出ポイントです。

鎌状赤血球が引き起こす問題

形が変わると、赤血球はしなやかさや、毛細血管を通過する能力が失われます。その結果、毛細血管で詰まりやすい、血流障害が起こる、組織が低酸素状態に陥る、痛み発作(疼痛発作)や臓器障害が生じます。

寿命が短くなる理由

正常な赤血球の寿命は約120日ですが、鎌状赤血球は非常に壊れやすいという特徴があります。脾臓で破壊されやすく、血管内で溶血しやすい。結果として、慢性的な溶血性貧血が生じます。

なぜ「赤血球の代謝」と結びつくのか

ここで、これまでの話とつながります。赤血球は、ミトコンドリアをもたず、解糖系だけでATPを作る細胞です。

鎌状赤血球では、膜の変形、イオンバランスの乱れ、細胞骨格への負荷が増大し、ATP消費がさらに大きくなります。エネルギー供給に余裕がない赤血球にとって、形態異常は致命的ということです。

遺伝形式にも注目

鎌状赤血球貧血症は、常染色体劣性遺伝です。

  • ヘテロ接合体:症状が軽い
  • ホモ接合体:重症

ここで重要なのが、マラリア抵抗性です。なぜこの病気が淘汰されなかったのかを考えてみましょう。ヘテロ接合体(片方だけ変異)の人は、マラリア原虫が増殖しにくいという特徴をもちます。

そのため、マラリア流行地域では生存に有利に働きます。そのため、有害な遺伝子であっても地域によっては残り続けた、ということです。

これが、自然選択と進化を考える上での重要例です。

まとめ|私立医学部専門予備校プラタナスの見解ー赤血球は「究極の理解問題」

赤血球は、核がない、ミトコンドリアがない、しかしATPを使う、イオン濃度を厳密に維持する、という、一見矛盾だらけの細胞です。

しかし、解糖系、ナトリウムポンプ、温度・基質依存性を一つの流れとして理解すれば、すべてが論理的につながります。

医学部入試では、「覚えたか」ではなく「説明できるか」が問われる時代に入っています。

プラタナスでは、こうした一問で差がつくテーマ”を構造的に指導しています。

赤血球でつまずいた方は、それは「才能がない」のではなく、整理する視点をまだ知らないだけです。

気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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