解答速報/入試分析
2026年1月11日

生物選択者に特化した私立医学部専門予備校のプラタナスです。
本稿では、先日公開したブログ「【私立医学部生物】2026年入試予想|市原vs橋本が読む最新トレンド」においても記載した圧-容積曲線について、「圧‐容積曲線と心周期曲線の読み方」を解説していきます。
医学部志望の方はぜひご一読ください。
※youtubeチャンネルもぜひご確認ください。
※大学別の生物予想問題は「【2026年度私立医学部入試】 生物入試分析と出題予想(大学別一覧)」から確認できます。
※大学別の小論文/面接のまとめは「【私立医学部受験】面接・小論文対策の全体像と大学別分析まとめ」から確認できます。
圧-容積曲線は「今までに解いたことがある」が大事
私立医学部の生物において、「毎年出る」「差がつく」「本質を問える」この3条件を同時に満たすテーマは、そう多くありません。
その中で、2026年入試における最重要テーマとして、橋本先生が真っ先に挙げるのが「圧-容積曲線」です。
圧-容積曲線は、心臓の左心室を「圧」と「容積」という2つの指標で可視化した図です。しかし、多くの受験生にとっては、「矢印が回っている謎のグラフ」、「覚えることが多くて苦手な図」という印象で終わってしまっています。
けれども、私立医学部がこの図で本当に見ているのは、用語を覚えているかどうかではありません。問われているのは、
- 心臓の中で、今どんなことが起きているのか
- どの弁が、なぜ開き、なぜ閉じるのか
- 圧の変化が、血液の動きをどう決めているのか
つまり、「心臓の1拍を、理解して説明できるか」という一点です。
事実、近年の私立医学部では、圧-容積曲線を単独で問うだけでなく、心音、弁の開閉、拍出量の計算、さらには心周期曲線と絡めた思考型の問題として出題されるケースが急増しています。
出題があった年と大学を書いておきます。練習したい受験生は取り組んでみるといいでしょう。
2025年 久留米大学(心周期曲線)
2024年 帝京大学 2日目 赤本の掲載なし
2024年 藤田医科大学
2023年 杏林大学
2022年 獨協医科大学
2022年 東北医科薬科大学
2022年 関西医科大学
2021年 金沢医科大学
2018年 関西医科大学
2018年 昭和医科大学
2018年 聖マリアンナ医科大学
2018年 東京医科大学
毎年のように出題されている内容なので、今年も出題されるという予想です。このテーマは、暗記で乗り切ろうとするとうろ覚えで失点し、一方で「流れ」として理解できていれば、ほぼノーミスで得点できる分野でもあります。
だからこそ、圧-容積曲線は“できる受験生”と“伸び悩む受験生”を一瞬で分けるテーマなのです。
本稿では、私立医学部生物における圧-容積曲線を、「覚える図」ではなく、「読める図」「説明できる図」へと変えることを目的に、出題意図・考え方・典型パターンを徹底的に整理していきます。
そもそも圧‐容積曲線で「何が」問われているのか

□房室弁・大動脈弁が開くタイミングはいつ。
□第1音・第2音はいつ。
□1回の収縮で送り出される血液量。
□1分間に75回収縮するとした場合,1分間に送り出される血液量。
□ノルアドレナリンを加えたとき,曲線がどのように変化するか。
圧‐容積曲線は、単に「心臓の動きを示した図」ではありません。私立医学部の生物でこの図が使われるとき、大学側が本当に知りたいのは、次の一点です。
「心臓の1拍を、圧と容積の関係として理解できているか」
つまり、
- どの弁が
- なぜそのタイミングで
- どうして開閉し
- その結果、血液がどう動くのか
これを因果関係で説明できるかが問われています。
そのため、出題は必ず「圧‐容積曲線を使えば一意に答えが決まる問い」として設計されます。
以下では、実際に頻出となる5つの問いがこの図のどこを見れば答えられるのかを整理します。
そもそも,「弁ってなんですか」という受験生は下の図から房室弁・大動脈弁の位置を確認しておきましょう。

つまり、左心房と左心室の間にある弁が「房室弁」、左心室と大動脈の間にある弁が「大動脈弁」です。
① 房室弁・大動脈弁が開くタイミングはいつか
これは、圧‐容積曲線の最重要ポイントです。
弁の開閉は、筋肉の意思でも神経の命令でもなく、圧の大小関係だけで決まります。
房室弁(僧帽弁)が開く条件:心室内圧 < 心房内圧
もっというと,「左心室の容積が増えているとき」と理解しやすいです。
圧‐容積曲線では、
- 容積が最小
- 圧が十分に低下したあと
つまり、Ⅰ → Ⅱで房室弁が開きます。
「血液が心房から心室へ入る区間=房室弁が開いている」
大動脈弁が開く条件:心室内圧 > 大動脈圧
圧‐容積曲線では、
- 容積が最大
- 圧が急上昇した直後
つまり、Ⅱ → Ⅲで大動脈弁が開きます。
「容積が減り始める区間=大動脈弁が開いている」
② 第1音・第2音はいつ聞こえるか
心音は、弁が「閉じる瞬間」に生じます。
ここも暗記ではなく、圧‐容積曲線から一意に決まります。
第1音
- 房室弁が閉じる音
- 心室収縮の開始
圧‐容積曲線では、Ⅱの時期です。
第1音=容積一定で圧が上がり始める瞬間
第2音
- 大動脈弁が閉じる音
- 心室拡張の開始
圧‐容積曲線では、Ⅳの時期です。
第2音=容積一定で圧が下がり始める瞬間
③ 1回の収縮で送り出される血液量はどこを見るか
これは、圧‐容積曲線のいちばん点が取りやすい計算問題です。
1回拍出量(SV)は、最大容積 − 最小容積、圧‐容積曲線では、
- 横軸が「容積」
- したがって、横方向の幅がそのまま拍出量
横幅=1回拍出量
この意味がわかっていれば、どんな数値が来ても迷いません。
④ 1分間に75回収縮したときの血液量
これは③の発展です。手順は必ず同じ。
- 圧‐容積曲線から1回拍出量を求める
- 心拍数(75回/分)をかける
1分間拍出量 = 1回拍出量 × 心拍数
ここで大学が見ているのは、計算力ではありません。
「1回拍出量が何を意味しているか」を理解しているかです。
⑤ ノルアドレナリンを加えると曲線はどう変わるか
これは、圧‐容積曲線の思考問題ゾーンです。ノルアドレナリンは、
- 交感神経作用
- 心筋収縮力を強める
つまり、収縮性の増大が起こります。
収縮性が高まると何が起こるか
- より強く収縮できる
- より多くの血液を送り出せる
- 収縮末期容積が小さくなる
圧‐容積曲線では、
- 左側(最小容積側)がさらに左に移動
- ループ全体が横に広がる
拍出量が増える方向に変形する、これが説明できれば、医学部生物としては十分です。
圧‐容積曲線で問われている本質
ここまでをまとめると、圧‐容積曲線で問われているのは、
- 弁の開閉を「圧」で説明できるか
- 心音を「弁の動き」として説明できるか
- 拍出量を「図の幅」として理解できるか
- ホルモン作用を「曲線の変形」として説明できるか
つまり、「心臓の1拍を、論理的に説明できるか」この一点です。
次に,心周期曲線を見たことがあるか

□房室弁が開くタイミングはどこか
□大動脈弁が開くタイミングはどこか。
圧‐容積曲線と並んで出題される可能性があるのが心周期曲線 です。
この図は、1回の心拍(心周期)における圧の変化を時間軸で示したもので、一般に「ウィガース図」と呼ばれます。
図には,動脈内の圧力・心室内の圧力・心房内の圧力の3つが同時に描かれており,心臓の中で起きている出来事を時間の流れとして追えるのが特徴です。
一見すると複雑そうですが、入試生物としての読み方は非常にシンプルです。ポイントはただ1つ。弁の開閉は、圧の大小関係だけで決まる。これだけです。
房室弁が開くタイミングはどこか
まずは 房室弁(僧帽弁) です。
房室弁が開く条件:心房内圧> 心室内圧
この条件を,心周期曲線で探します。図を見ると,心室内圧が大きく低下し心房内圧がそれより高くなるタイミングがあります。
それが、d の直後(d → e の区間)です。
この時期は、
- 心室が拡張している
- 心室内圧が十分に低い
- 心房から心室へ血液が流れ込む
つまり,d → e で房室弁が開く、と判断できます。
「心室に血液が流れ込む=房室弁が開いている」
これは圧‐容積曲線と完全に一致します。
大動脈弁が開くタイミングはどこか
次に 大動脈弁(半月弁) です。
大動脈弁が開く条件:心室内圧> 動脈内圧
心周期曲線では、心室内圧が急激に上昇し動脈内圧を上回る瞬間があります。
それが、b の直後(b → c の区間)です。
この時期、
- 心室が収縮を開始している
- 血液が大動脈へ送り出される
- 動脈内圧も上昇する
つまり,b → c で大動脈弁が開く、と判断します。
「血液が心室から外へ出る=大動脈弁が開いている」
ここまでの整理
心周期曲線
房室弁が開く
→ 心房内圧 > 心室内圧
→ d
大動脈弁が開く
→ 心室内圧 > 動脈内圧
→ b
この2点がわかれば、心周期曲線の弁の問題はほぼ解けます。
圧‐容積曲線との対応
ここで重要なのは、心周期曲線と圧‐容積曲線は見ている向きが違うだけ、という点です。
圧‐容積曲線:「容積 × 圧」で1拍を見る
心周期曲線:「時間 × 圧」で1拍を見る
しかし、房室弁が開くタイミング、大動脈弁が開くタイミングは完全に一致しています。だからこそ、この2つの図は 必ずセットで出題されるのです。
プラタナスの視点
圧-容積曲線と心周期曲線は、覚える図ではありません。圧の大小関係を追うだけで、弁の動きも、血液の流れも、自然に読める図です。
圧‐容積曲線が読める受験生は、この心周期曲線も必ず読めるようになります。
読めるようになった瞬間、私立医学部生物の循環分野は“得点源”になります。
この図を前にして、「今、血液はどこを動いているか」「なぜこの弁が動くのか」を言葉にできるか。それこそが、大学側が本当に見ている力です。
循環・心臓分野は医学部生物の王道ですが、近年は「心拍出量」「血圧調節」といった単発知識ではなく、グラフの形そのものを読ませる問題が増えています。
プラタナスからのメッセージ
2026年の私立医学部生物は、「知っているか」ではなく「説明できるか」がより強く問われます。
プラタナスでは、こうしたテーマを点ではなく線で理解する指導を行っています。
「なぜそうなるのか」を言葉にできる生物へ。それが、医学部合格に直結する力です。
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